料理が目的地に。スーパーカーオーナー80名のランチ
2026年9月6日、軽井沢・プリンスショッピングプラザ。芝生の広場に、2台のRUSTIC TENTを立てました。
2026年9月6日、軽井沢・プリンスショッピングプラザで、イタリアのスーパーカーメーカーがオーナーの皆さまを迎えるランチパーティーを担当しました。80名分のテント、テーブル、資材の設営から、料理、ドリンク、装飾まで、すべてをTHE BASE x RUSTIC が手がけています。
主催|イタリアのスーパーカーメーカー(オーナーズランチパーティー)
日時|2026年9月6日
会場|軽井沢・プリンスショッピングプラザ
人数|80名
担当|設営(テント・テーブル・資材)、グレージングテーブル、コース料理、ドリンク、装飾
何を食べてもらうか、より先に
RUSTIC TENT | 18m x 8m & 14m x 8mの2台のテントを繋げてレイアウトをデザインしました。
最初に考えたのは「何を食べてもらうか」よりも、「軽井沢まで車を走らせてきた人たちに、目的地でどんな時間を過ごしてもらうか」でした。
高価な食材を並べれば、特別な料理にはできます。でも、それだけでは今回ここで食べる理由にはならない。- Chef MIZUNO
レストランの料理をそのまま屋外へ持ってくるのではなく、「外で食べること」まで料理の一部にする。この日のランチは、その考えから組み立てました。
APERITIVO|まず、一つの風景を囲む
テーブル一面が、軽井沢の風景になるように。
ゲストを最初に迎えたのは、席に並ぶ料理ではありません。信州のチーズや果物、ナッツ、クラッカー、ハーブ、そしてドリンクが広がる、一つの大きなテーブルです。
グレージングテーブル | Grazing Table
テーブルをキャンバスに、食材や植物を絵具のように置いていく。均等に並べるのではなく、密度のある場所、余白のある場所、高さのある場所をつくり、ユーカリやハーブはテーブルの輪郭を越えて伸びていく。軽井沢の自然を切り取ったような、一つの風景です。
けれど、これは眺めるための作品ではありません。好きなドリンクを選ぶ。チーズを取る。果物をつまむ。誰かに勧める。そして、会話をする。
APERITIVO Video
Creator KAORI
大きな食べ物を囲み、手を伸ばし、誰かと分け合って食べる。グレージングテーブルは現代的なスタイルですが、その行為はとても原始的なものです。洗練された空間の中に、あえて人の原初的な食の行為を戻す。それが、この日のランチの入口でした。
人が手を伸ばすたびに風景は少しずつ崩れ、別の姿に変わっていく。そこに人がいた時間が残っていくこと。それが、このテーブルの完成形です。
一杯目|桂とアブラチャンのフォレスト・ソーダ
桂の落ち葉のコーディアルを、浅間山の湧水ソーダで。
落ち葉のドリンク
アペリティーボに合わせたのは、軽井沢のシグネチャーツリーである桂の落ち葉からつくったコーディアルを、浅間山の湧水ソーダで割った一杯です。キャラメルやナッツのような、甘く香ばしい香り。マドラーとして添えたアブラチャンの枝でかき混ぜると、枝から柑橘を思わせる爽やかな香りとスパイシーさが立ち上がります。ワイングラスの内側には、黄色と茶色に色づいた桂の葉を一枚ずつ。森の風景をそのままグラスに閉じ込めたような、最初の一杯です。
Beverage Designer HAN
この日のゲストは、自分の車で軽井沢まで走ってきた人たちです。だからドリンクは、すべてノンアルコールで組み立てました。お酒の代わりではなく、この土地でしか飲めない一杯として。
COURSE|脇役を、主役にする
「自分で選び、自分で手を伸ばす」という食べ方は、席に着いてからのコースにも続いていきます。
HORS-D'ŒUVRE 自家製 信州サラミ/野菜のクリームとはちみつのキャビアのタルト
普段は料理を支える側にいる野菜や蜂蜜に、主役になる瞬間をつくる。蜂蜜は小さな粒に仕立て、キャビアのようにはじける食感に変えました。高価なものを加えるのではなく、いつもの素材の見方を少し変えるところから、コースが始まります。
SALAD 手で食べる 信州野菜のグリル/信州チーズと天然酵母パン
ここでは一度、ナイフとフォークを置いてもらいます。パンをちぎる。野菜を取る。チーズを合わせる。焼いた野菜の温度、パンの香り、チーズの塩味、そして指先に感じる質感まで。テントの下で風を感じながら食べる、屋外だからできる少し自由なサラダです。
SOUP 一滴の水も加えない、とうもろこしの冷製ポタージュ
使うのは、とうもろこしと塩だけ。水も牛乳も生クリームも加えず、とうもろこし自身の水分だけで仕上げます。Mizunoが長くつくり続けてきたスペシャリテです。
余計なものをなくすことで、素材そのものが強く見えてくることもある。今回の料理全体にも、この考え方は共通しています。
— Mizuno
THE SALMON|ハーブの束は、調理道具でもある
信州サーモンと、添えたハーブのブーケ。このブーケで、出汁を泡立ててもらいました。
この日の中心に置いたのは、一尾のままローストする信州サーモンです。ゲストの食事の進み具合から逆算して、約10尾を一尾ずつ焼き上げました。腹にはレモン、にんにく、たっぷりのハーブ。
焦がしバターとレモンを合わせ、束ねたハーブそのものをハケにして、焼いては塗り、焼いては塗る。信州サーモンに足りない脂の厚みと香りを、外側から少しずつ重ねながら火を入れていきます。
焼き上がった一尾
焼き上がったサーモンは、すぐには切り分けません。熱をまとったままゲストの間へ運び、目の前で静かに休ませます。
料理は、火から外した瞬間に終わるわけではない。休ませる時間まで含めて、ひとつの調理です。- Mizuno
最後のひと手間は、食べる人に
十分に休ませた身を取り分け、サーモンから取った温かな出汁を添えて、一人ひとりに小さなハーブのブーケを渡します。ブーケを茶筅に見立て、お茶を点てるように出汁を泡立てる。空気を含ませながらフレッシュなハーブの香りを移すと、出汁が自分だけのソースに変わります。
Chef MIZUNO
料理人がしている仕事の一部を、ほんの少しだけ食べる人にも渡す。大げさな演出ではなく、料理の延長線上にある体験にしたかったのです。
目的地で食べた料理そのものだけではなく、「あそこで、あんな時間を過ごした」という記憶が残ること。今回は、そこまで含めて料理だと考えています。
二杯目|浅間山のノンアルコール・ジントニック
ノンアルコールのジントニック
メインに合わせたのは、ノンアルコールのジントニックです。ウコギ(五加)のトニックシロップを浅間山の湧水ソーダで割り、レモンの皮やハーブの茎から抽出した芳香蒸留水を重ねました。ブーケと同じ軽井沢のハーブも、飲める形でこの一杯に入っています。ウコギの独特な苦味と湧水の柔らかさが、サーモンの脂をすっきりと洗い流します。
グラスにはネズ(ジュニパー)の枝を沈め、縁の8分の1にだけ、ごく薄くレモン塩をあしらいました。塩のある側から飲むか、クリアな側から飲むか。一杯の中でも、ゲストが自分で選べるようにしています。
見る、選ぶ、触れる、分け合う、つくる、食べる
最初のグレージングテーブルから最後の一皿まで、この日の体験には一つの流れがありました。
LOOK → CHOOSE → TOUCH → SHARE → CREATE → EAT
ゲストは料理を提供されるだけの人ではなく、食の時間を一緒に完成させる参加者になる。料理とグレージングテーブル、二つの方向がばらばらにならず一つのランチとして揃うよう、全体を見続けていたのが、空間のディレクションを行っているSAYURIです。
空間装飾は最も勢いのある旬で。
当日使ったハーブや、空間とグレージングテーブルを彩った植物は、すべて軽井沢で育ったもの。友人のヅカファームで、この日のために収穫してきました。厨房では、ハーブの束をハケにしてサーモンを焼く。テーブルでは、同じようにハーブの束を使って、自分のソースに香りを移す。
Decoration Director SAYURI
最も旬で勢いがある植物たちのエネルギーを空間に表現しました。お友達の農園で農薬を使わずに育てられている植物たちを食・ドリンク・空間と立体的に生かした設計を心がけています。
MENU
APERITIVO グレージングテーブル/桂とアブラチャンのフォレスト・ソーダ
HORS-D'ŒUVRE 自家製 信州サラミ/野菜のクリームとはちみつのキャビアのタルト
SALAD 手で食べる 信州野菜のグリル/信州チーズと天然酵母パン
SOUP 一滴の水も加えない とうもろこしの冷製ポタージュ
MAIN 丸ごとローストした信州サーモン/サーモンの出汁とハーブのブーケ/浅間山のノンアルコール・ジントニック
DESSERT 赤い宝石の琥珀糖/黒の柑橘ムース
TEAM
空間ディレクション:Sayuri
料理:Mizuno
グレージングテーブル:Kaori
ドリンク:Han
ハーブ:ヅカファーム
設営・運営:THE BASE & RUSTIC
同じようなイベントを検討中の方へ
ブランドのオーナーイベントや試乗会、屋外での着席ランチなど、会場に設備がなくてもご相談ください。テントの設営から料理、ドリンク、装飾まで、一つのチームでお受けします。

